私がエストニアへ留学するまでのロードマップ

私がエストニアへ留学するまでのロードマップ

留学が決まって以来、同じように留学を目指している仲間から、いつから準備したか、いくつの大学に出願したかなど、留学に行きつくまでの過程についていろいろと質問を受けます。

実際のところ、他の多くの留学生と同じように、私の留学はユニークだと思います。法学部で海外の修士に進む人自体がそもそも少ないですが、その中でもポピュラーなLLMや国際法、国際関係学といった分野ではなく、ITという特定の法律分野に限定した留学の選択は、あまり例がないと思っています。まして、エストニア。

だから、単純に跡をたどるという視点ではあまり参考にならないかもしれませんが、逆にポピュラーな分野・大学への留学のHow Toではなく、自分のやりたいことと向き合い、一から準備したという意味では、むしろ法学に限らずあらゆる学問分野での留学を目指す人に共通する体験になるのではないかと思います。そこで、私が留学を決めてから出発するまでの過程を振り返ってみたいと思います。

いつから準備を始めた?

私はそもそも修士進学を希望していましたが、海外の大学に進学することを考え始めたのは、学部3年の後期、交換留学に行っていたときでした。すなわち、ちょうど留学する1年半〜2年ほど前です。当時、オランダの大学に半年間の交換留学に来ており、ヨーロッパの大学を非常に身近に感じることができていました。また、たった半年の留学で自分の実力のなさを実感し、消化不良だったこと、それをリベンジしたいと考えたことが、大きなモチベーションでした。そのため、交換留学中に一生懸命次の留学先を調べていたのを覚えています。

さて、欧米の大学は、日本とは異なり9月前後に始まるところが大半です。そして、私が調べた中では、募集が早い大学ではその1年以上前、前の年の8月に募集締め切りを設けているようなところもありました。一般的に、イギリスやオランダなど、人気のある国、大学ほど募集が早い傾向があると思います。一方、年が明けてから募集を開始するような大学や、6月ぐらいに募集締め切りを設けているようなプログラムも少なくありません。いずれにしても、遅くとも1年前の夏までには、自分の関心のある大学、プログラムをピックアップし、ひとまず前の年の情報でもよいので出願時期等の情報をリストアップして出願の計画を練っておいた方がよいと思います。

ちなみに私の場合は、学費の高いメジャーどころを避けた結果、出願スケジュールがだいぶ後ろにずれこんでしまいました。一番早かったタルトゥ大学ですら募集開始がその年の1月、締め切りが3月中旬、結果が出たのが4月下旬でした。いわゆるすべり止め的に考えていた大学も3つほどありましたが、これらはさらに遅く、5月以降の募集締め切りだったため、結局よそに出願せずに済みました。ただし、このパターンの場合、進路が決まらない状態で日本の学部を卒業することになるため、人を選ぶかなとは思います。

どこで情報を集めた?

私は、主にインターネットで情報を収集していました。プログラムを見つけるにあたって、この国、大学で勉強したい!といった限定がある場合は、大学のホームページを直に探していくという方法もあるかと思います。ただ、私の場合ヨーロッパのIT法のプログラムという大雑把な希望しかなかったため、広い選択肢の中から選んでいく必要がありました。そんな時に、世界中のコースをまとめたポータルサイトが大変役に立ちました。

https://www.masterstudies.com/https://www.mastersportal.com/といったサイトには、世界中の様々な学位プログラムが掲載されており、国や分野、使用言語といった条件から検索をかけることができます。また、法学であればhttps://llm-guide.com/といったように、特定の分野に特化したサイトもあります。こういったサイトである程度目星をつけてから、それぞれの公式サイトに飛び、より詳しく条件を見ていくという探し方を主にしていました。そして、気になる大学はSNSをフォローしたり、ニュースレターに登録するのも忘れずに。応募やイベントのリマインドを得られたり、フレッシュな大学の様子に触れることができます。

また、私のころはまだコロナ・パンデミック終わりかけのころでそのような機会はありませんでしたが、現在では対面の留学フェアのようなものもたくさん開催されている様です。タルトゥ大学の募集チームも、世界中を飛び回っている様です。例えば、私は参加しませんでしたが関東、関西では欧州留学フェア(https://ehef-japan.org/)があり、エストニアからのチームも出展していたようです。都市圏にお住まいの方や、ヨーロッパ在住の方は、こういったイベントに参加してみるのもいい方法かなと思います。

応募~選考

私が見ていた大学では、まず応募時に提出し書類を用いた1次選考、その後オンラインの面接による2次選考を合わせて合否が決まるものが多かったです。提出した書類はモチベーションレター、英語のスコア、大学の成績等。ただ、私のプログラムの場合は、英語のスコアや大学の成績は、募集要件を満たしているかの判定のみに使用され、選考自体はモチベーションレターと面接のみで決まるようでした。選考については、いずれ詳しく書ければなーと思っています。

選考過程で一番印象に残っているのは、書類の郵送です。提出する書類は、オンラインで提出した後郵送でも送らなければならなかったのですが、エストニアまで直行便がなく、郵送は第3国を経由するため、非常に時間がかります。届くまで3週間弱かかって締め切りの前日に届き、とてもひやひやしたのを覚えています。郵便局でも、局員さんに「エストニアですか?」「エストニアでしたっけ?」「エストニアですよね?」となぜか3回も確認され、遠い国だなーと改めて実感しました。

合格~その後

4月下旬に(学部卒業に関する最終的な書類の原本がまだ届いていなかったため)条件付き合格をいただき、書類到着後5月に正式に入学が決まりました。そこから、大学を通じて寮に申し込んで住所を確保し、航空券を購入し、7月、大使館が夏休みに入り直前に滑り込みでビザを手に入れました。そして、大学が用意しているオリエンテーションプログラムに間に合うよう8月中旬に渡航し、今に至ります。

それぞれの過程については、より詳しく語るべきことがありますが、それはまた気が向いたら記事にするとして、ひとまずの流れはこんな感じだったかなと思います。あまり人に頼ったりせず我流で突き進んできたので、他にもっと良い方法があるかもしれませんが、私は(運よく?)この方法で理想の場所にたどり着いたとのご紹介でした。

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